2013.07.09
【イギリスの医療】NHS医療制度のご説明
長期留学はもちろん、海外に滞在する際に心配なことの一つは、医療ではないでしょうか。
イギリスの医療制度は、NHSと、プライベート医療の二種類に分かれます。
今回は、この中で、イギリスの一般医療制度となるNHSについてご説明します。

NHSは、基本的に「無料」の医療となり、現在では、学生も含むイギリスに長期滞在の方が受けることができる医療です。GPと呼ばれる自分の住んでいる地域の医者に登録し、ほとんどの場合、まずGPから診療を受けます。
GPで問題が解決できない場合、もしくはさらなる検査などが必要な場合、専門医への紹介は、このGPを通して行われます。日本の様に自分の症状にあわせて個人が直接に専門医に行くことはありません。
このGPに会いに行くのには、予約が必要です。
そのため、何か健康の問題があって、「医者に見てもらいたい」と思っても、その日に予約があいていなければ、みてもらえない事もあり、下手すると、「数日後に予約がとれます」なんていうことも。
その代わり、予約がとれて、医者にみてもらって、処置や処方薬を出してもらった場合も、料金は無料です。
(薬代は自費で支払うのが通常です)
このシステムのため、日本と病院を使う感覚が全然違います。
日本だと、「風邪をひいた」、「喉が痛い」、などの症状で内科の先生にみてもらえますが、イギリスでは、「市販薬を飲んで寝ててください」と言われてしまいます。
市販薬が日本で売られているものより、強くできているので、風邪薬やのどの痛みをとる薬なども、手軽に薬屋で購入でき、実際に風邪などはそれをとって、寝ていれば日本で処方薬をもらって寝ているのと同じ。
あとは、自己流に栄養をとる食事をしたりすることで、結局自然と治ります。
ではどうしても、具合が悪いとき、怪我をしたとき、症状の原因が不明なときで、今すぐにみてもらいたい時は、どうしたら良いでしょう?
そのようなときは、地域の大病院にある、Accident & Emergency(緊急外来)に行きます。
GPほど自分の家の近くにないことがほとんどですが、ここに行くと、その日に診察、処置をしてもらうことができます。
システムは、ある種日本の病院に似ており、受付にて名前や詳細を告げ、症状を簡単に説明します。
あとは順番に呼ばれていくので、ひたすら待合スペースで待つのみ。。。
外科、内科、など症状別で、呼ばれる順番が多少前後するかもしれません。
また、症状によっては、医者ではなく、ナースが処置をしてくれたりすることもしばしばです。
原則、その場で診療、処置をしてくれて、必要であれば、別の病院に紹介、という事もあります。
この緊急外来を受ける場合も、GPに登録済みであることが望ましくなります。
ちなみに、歯科の治療はほとんどNHSの無料範囲から外れているため、NHSに対応している歯医者を探すか、プライベート医療扱いになるのが通常です。これに関しては、また詳しくブログに書きたいと思います。
自分の地域のGPを探す、緊急外来の場所を探す、健康に関するアドバイスを受けるなどの情報がつまったNHSのウェブサイトはこちらです。
NHS ダイレクト
また、もちろん、診療など全てのプロセスは、「英語」となります。
ロンドン市内には、日系の病院がいくつかあるので、日本語で診療を受けられますが、これはNHSの取り扱いにはならず、プライベート医療となります。こちらの方も、また別のブログ記事でご説明したいと思います。
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さて、GPも、緊急外来の時も、日本と応対や処置の感覚が違うので、以下に筆者の周りで起きた例をあげます。
もちろんこれが全てではありませんし、病院やその時に応対してくれる人により、処置などは変わると思いますので、あくまで「一例」としてお考え下さい!
①症状:謎の高熱
ふらふらするので、体温計で熱を計ったら、38度以上。
その割りに、風邪やインフルエンザの症状のような、症状がなく、頭痛などもない。
少し喉に痛みはあるものの、咳はなく、胃腸の調子も至って普通。
↓
Accident & Emergency(緊急外来へ)
ドクターが診察した結果、「喉にウィルス性の炎症がおきていて、そのための高熱」という事。
市販の、強めの、のどの痛み用の薬をとり、熱は、イブプロフェンで解熱して下さい、と言われる。
せっかくなので、病院から解熱剤などを処方してくれないか、と交渉したが、「その必要はない」と言われてしまい、しょうがないので、言われた通りに市販薬をとって安静にしていたら、割りにすぐに治りました。
②症状:背中に腫れ物
背中ににきびのような腫れ物ができて、治る様子がないので、GPへ。
すぐに予約がとれず、次の日の朝8時に電話をしたら、その日にあいている日の予約がもらえるかもしれない、というシステムのため、それに従う。
翌朝8時に電話をし、遅い午前中のスロットをもらい、GPへ。
1時間ほど待たされたが、医者に診てもらい、抗生物質の飲み薬を処方してもらうことに。
数週間飲んでから、様子を見る、という事になり、数週間後によくなった。
③症状:足の怪我
アクシデントで足に怪我を負ってしまい、どう処置をしたらよいかわからない。
NHSダイレクトに電話をして、状態を説明したところ、すぐに緊急外来に行くように、とアドバイスをされる。
また、怪我を悪化させないために、サランラップで保護をする、などのアドバイスも同時に電話でもらう。
それに従って保護をした後に、緊急外来へ。
1時間くらい待ってから、消毒、及び保護の包帯などをしてもらう。
感染を防ぐためのアドバイス等が成されて、数日後にまた戻ってくるように、予約をとる。
数日後、予約をとっているので、同じく緊急外来に戻っても、今度はほぼ待たずにナースに通してもらう。
消毒のし直し、保護&包帯の取替え等、を行い、また後日の予約。
感染が完全に防げた、とわかるまでは、この作業の繰り返し。
最終的に、感染の恐れがなくなってからは、GPへ通い、次の段階の処置をしてもらうことに。
数週間後に感染もなく完治しました。
④症状:インフルエンザ
豚インフルエンザがはやっている頃に、どうもインフルエンザにかかってしまった疑い。
高熱、頭痛、喉の痛みなどつらい症状が続き、当時NHSが設けていた豚インフルエンザホットラインに電話。
当時のシステムでは、豚インフルエンザの疑いがある患者は、他者への感染を防ぐため、まずホットラインに電話をしてからGPに行く必要がある、という形になっていたそうです。
電話でいくつかの質問に答えたところ、「豚インフルエンザ」と判断された。
では次のステップは、、?というところで、また別の質問に答え、最終判断は
「外出しないで下さい」
「市販の薬の強めのものを飲んで、家で静養」
ちゃんと豚インフルエンザに対応した薬を飲みたい、と申し出たものの、電話上での判断では不要。
基本的にその人が元気で、年齢も若かったので、「大丈夫」と判断されたようです。
そのため、薬を処方されたよりは時間がかかりましたが、しばらくしたら自然に治癒したそうです。
・・・・・ と、色々な例がありますね。
また今後別のタイプの医療についても、お話してみたいと思います!(^o^)/
Averieのウェブサイトでは、
医療以外の色々なイギリス現地情報も記載しています。
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今回は、この中で、イギリスの一般医療制度となるNHSについてご説明します。

NHSは、基本的に「無料」の医療となり、現在では、学生も含むイギリスに長期滞在の方が受けることができる医療です。GPと呼ばれる自分の住んでいる地域の医者に登録し、ほとんどの場合、まずGPから診療を受けます。
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そのため、何か健康の問題があって、「医者に見てもらいたい」と思っても、その日に予約があいていなければ、みてもらえない事もあり、下手すると、「数日後に予約がとれます」なんていうことも。
その代わり、予約がとれて、医者にみてもらって、処置や処方薬を出してもらった場合も、料金は無料です。
(薬代は自費で支払うのが通常です)
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日本だと、「風邪をひいた」、「喉が痛い」、などの症状で内科の先生にみてもらえますが、イギリスでは、「市販薬を飲んで寝ててください」と言われてしまいます。
市販薬が日本で売られているものより、強くできているので、風邪薬やのどの痛みをとる薬なども、手軽に薬屋で購入でき、実際に風邪などはそれをとって、寝ていれば日本で処方薬をもらって寝ているのと同じ。
あとは、自己流に栄養をとる食事をしたりすることで、結局自然と治ります。
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そのようなときは、地域の大病院にある、Accident & Emergency(緊急外来)に行きます。
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外科、内科、など症状別で、呼ばれる順番が多少前後するかもしれません。
また、症状によっては、医者ではなく、ナースが処置をしてくれたりすることもしばしばです。
原則、その場で診療、処置をしてくれて、必要であれば、別の病院に紹介、という事もあります。
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ちなみに、歯科の治療はほとんどNHSの無料範囲から外れているため、NHSに対応している歯医者を探すか、プライベート医療扱いになるのが通常です。これに関しては、また詳しくブログに書きたいと思います。
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また、もちろん、診療など全てのプロセスは、「英語」となります。
ロンドン市内には、日系の病院がいくつかあるので、日本語で診療を受けられますが、これはNHSの取り扱いにはならず、プライベート医療となります。こちらの方も、また別のブログ記事でご説明したいと思います。
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高熱、頭痛、喉の痛みなどつらい症状が続き、当時NHSが設けていた豚インフルエンザホットラインに電話。
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